医薬品

高熱と寒気のみの症状は本当にかぜ?注意すべき疾患「腎盂腎炎」とは?

問題

下記の会話は、とあるドラッグストアにおける接客の様子である。
ある程度接客が進み、以下の内容を得た。

薬を使う人相談者本人(20歳男性、会社員)
症状38.0℃の発熱、寒気のみ
いつから昨日の朝から
既往歴数年前、腎盂腎炎にかかったことがある。
現在は落ち着いている。
現在飲んでいる薬なし

登録販売者がOTCを販売または受診勧奨するにあたり、確認しておきたい内容で優先度の高いものを、次の選択肢a~dの中から全て選びなさい。

 

選択肢

a)寒気は止めたくても止められないような感じですか?

b)背中や腰の調子が悪いということはありませんか?

c)トイレが近いとかおしっこすると痛いということはありましたか?

d)昨日の朝から熱が出たとのことでしたが、その前にも熱が出て一旦は治ったなどありませんよね?
 

回答

選択肢a~d全て正解です。

今回は熱症状のみで、鼻や咳、咽頭痛といった局所症状がありません。

かぜの定義は「咳・鼻汁・咽頭痛の3症状が、急性で同時に同程度存在」なので、今のところかぜには見えません。

気になるのは、数年前に腎盂腎炎を患ったことがあるという点です。

腎盂腎炎とは、簡単にいえば「腎臓に細菌が入って炎症が起きる」症状です。

局所症状が不明瞭で高熱のみあるパターンで、最も多いのが腎盂腎炎です。

この既往歴がある場合は、まず第一にこの再発を疑って、受診勧奨すべきかどうかの鑑別を考えるとよいでしょう。

 

登録販売者
登録販売者
a)寒気は止めたくても止められないような感じですか?
解説

自分の意志で止められないレベルの寒気を悪寒戦慄といい、これは血液の中に細菌が入り込んでしまう菌血症になっている可能性があります。

この病歴が取れたら受診勧奨です。

 

登録販売者
登録販売者
b)背中や腰の調子が悪いということはありませんか?
解説

腎盂腎炎は背部痛を伴うことがあるので、この質問が有効です。

もしYESなら、次は「右と左でどっちかだけですか?」と聞いてみましょう。

明確に左右差を言える場合は腎盂腎炎の可能性が高いです。

 

登録販売者
登録販売者
c)トイレが近いとかおしっこすると痛いということはありましたか?
解説

腎盂腎炎を発症する前に、頻尿排尿痛などの膀胱炎症状が出ることがあります。

 

登録販売者
登録販売者
d)昨日の朝から熱が出たとのことでしたが、その前にも熱が出て一旦は治ったなどありませんよね?
解説

これは2峰性の病歴の確認です。

2峰性とは、「最初37℃の熱があって一旦良くなったけど、最近また38℃の熱が出た」のような、症状のヤマが2回くるケースです。

この場合は、一回目はかぜだったとしても、こじらせて腎盂腎炎などの細菌感染症になっている可能性があります。

2峰性の病歴が取れたら受診勧奨します。

 

これらの質問をクリアできれば、緊急度は高くないと判断し、OTCの販売に進んでいいでしょう。

よって、正解は選択肢a~d全てとなります。
 

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